束縛状態とはどんな状態のことか
束縛状態とは、粒子がなんらかの拘束力に拘束されており、自由な状態ではないこと。
束縛状態の性質
- 離散的なエネルギー固有値を持つ
- ポテンシャル\(V(x)\)が、\(V(x)=\infty\)の領域では波動関数は\(\phi(x)=0\)となる。
- エネルギー固有値は縮退がない
- ポテンシャルが偶関数のとき、固有関数は偶関数か奇関数のどちらかである
- ポテンシャル\(V(x)\)が有限な点では、波動関数\(\phi(x)\)とその導関数\(\phi’(x)\)が連続で得られる。そのような点では、両側での解を\(\phi(x)\)と\(\phi’(x)\)が連続になるようにつなぐ
束縛状態の性質です。
束縛状態についてはこれらの性質を駆使することで、固有状態やエネルギー固有値を求めることが出来ます。
また、上記の性質についてはもちろん導くことが可能です。
この記事では省略します。
では以下で例を見ていきましょう。
束縛状態の例1
無限のポテンシャルを持つような状態に束縛されている粒子を考えます。
このような状況を、ポテンシャルの壁に束縛されている、などといいます。またこのポテンシャルの壁(もしくは障壁)を「井戸型のポテンシャル」と言います。今回はポテンシャルが無限大ですので、無限に高い井戸型ポテンシャルなどと言うこともあります。
さて、無限に高いポテンシャル内に粒子が存在しています。
この粒子は束縛状態にあります。ポテンシャルは\(\infty\)ですので、壁の中に侵入することは出来ません。
また図では粒子の数に合わせて固有状態を1つしか描きませんでしたが、エネルギー準位が上がるごとにとびとびに段階を踏んで上の方へいきます。
束縛状態の例
次はポテンシャルが有限であるパターンです。
無限ではないので粒子が壁の中に侵入することが出来ます。
しかし\(x\longrightarrow\pm\infty\)では波動関数が0になるので、結局落ち着いてしまいます。
これを波動関数のシミだし、などと言います。
またポテンシャルの外では、粒子は束縛されていません。
この状態を散乱状態と言います。
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